センター概要

センター概要

研究センター名

(英文名)

高等教育・学生研究センター

Higher Education and Student Research Center

研究センター長 【所属】社会学部 【職名】教授 【氏名】山田 礼子

センターの趣旨・目的

研究センター設置の目的

2008年3月に公表された中教審の審議のまとめにおいて指摘されているように、今後は学士課程教育の構築に向けて各大学が自らの教育理念と学生の成長を実現する学習の場として学士課程を充実させることが強く求められている。しかし、学生の成長をどう測定するのか、あるいは学生の成長の成果と学士課程教育の関係性についての研究蓄積は我が国では多くない。学生の成長を測定する継続的学生調査の開発と理論構築が遅れてきたことが大きな原因である。

一方、欧米諸国、とりわけアメリカにおいては学生調査が継続的に実施され、そうした学生調査結果をベースにして高等教育の教育効果の測定研究、学生研究の蓄積が行われ、学生の成長に関する理論的研究が進んでいる。さらには、学生調査を利用してのIR(大学研究)が進展し、各大学にIR部門が設置され、そうした部門の実践的な研究にもとづいた教育改革も進展してきている。IRが機能することにより、アクレディテーションに不可欠なエヴィデンスベースの資料の作成も円滑に実施できている。

本研究では、(1)過去4年間われわれ研究グループが実施し、蓄積してきた学生調査研究の基盤をさらに発展させ、学生の成長と成果に関する理論研究を充実させること、(2)学生調査に参加する大学へのデータと分析結果の返却を通じて、各大学が自らの機関の教育改善につなげるような実践研究へと展開することを目的とする。本センターは、UCLA HERI(高等教育研究所)との共同研究も行う予定であり、国際比較の視点も組み入れる。また本センターは継続的な学生調査をするだけの余裕のない大学への貢献ということも視野にいれており、こうした大学が主に共同利用できる研究・実践センターを目指している。

研究実施計画 学生調査研究プロジェクト

2007年に14大学を対象におこなった上級生調査(CSS)4000人の分析を行い、学会発表、シンポジウムを開催する。(2008年)

2008年7月に150大学を対象に25000人規模で実施した新入生調査(JFS)の分析を行い、参加大学にデータの返却と分析結果を返却する。2009年度には国内・国際学会での発表を行う。参加大学からの要望に基づき、データ解析と説明などコンサルタントも実施する。(2008年~2009年)

新入生調査あるいは上級生調査のいずれかを実施し、その分析・解析を行い理論と学生研究の基盤構築をおこなう。
(2008年以降毎年)

IR(大学研究)研究プロジェクト

毎年実施する新入生調査あるいは上級生調査のいずれかの分析結果を各参加大学に返却し、大学からの要望に応じて分析を個別に行い、その結果を解説する。(2009年以降毎年)

IR(大学研究)国際比較研究プロジェクト

UCLA HERI(高等教育研究所)との共同研究を推進するための、連絡・調整を行う。すでに、日本版上級生調査および日本版新入生調査はUCLA HERI(高等教育研究所)と相互互換性のある調査として開発しているため、今後は実際のデータ相互のやりとりを行い、共同研究を進めていくことを実質化し、する。国際学会での共同発表、共同シンポジウム等を開催等する。(2009年度以降毎年1回)